データ標準化とマーケット・アクセス

Data-normalization
高頻度取引(HFT)を行なうトレーダーは、世界的に厳しい競合に直面しています。このほど、MarketPrizm社のCTO Jacob Linderman氏にインタビューし、最近の市場動向、標準化された相場情報に関する最新のテクノロジーについて語ってもらいました。

1. HFT市場の最新動向は、標準化されたデータの需要にどう影響していますか。

市場の分断化は活発化しており、これが新しい市場機会を産み出すとともに、新しいチャンレンジにもなっています。HFT取引は市場構造に合わせて発展してきました。一般的にHFT戦略は遅延に敏感で、要求される特性もいろいろあります。例えば、複数の市場で効率的に標準化されたデータ・フィードが必要な場合があります。顧客のニーズは、ソフトウェアを利用し標準化された相場情報から、ハードウェアを利用し標準化された相場情報まで多様です。

市場の統合、新興市場の出現により分断化の形も変化し、HFT取引は複雑化しています。複数の市場に上場している銘柄、複数のダークプールが存在するなど、これらの市場や銘柄コード、取引相手の流動性を常に把握するのは容易なことではありません。しかし、これは相場情報やマッチングエンジンの速度同様、重要事項となっています。

グローバル市場では多様化が進み、市場プレゼンスも増えています。高速標準化データにより、市場の動きに合わせて市場での損益改善に注力できるようになっています。取引参加者はポートフォリオの専門化、多様化を進めています。市場多様化により、HFT参加者はサービス拡大の道を探っています。

2. 標準化データの提供、使用方法に影響を与えている最新のテクノロジーとしてどのようなものがありますか。

ネットワーク・スイッチ、ルーティング、サーバ・ネットワーク・カード、ソフトウェア・ドライバー、オペレーティング・システム、カーネル・ソフトウェアをはじめ、サーバ・ハードウェア・チップ速度やアプリケーション開発テクニックでの技術進展が高速化に寄与しています。

同時に、マッチングエンジン応答時間が大幅に改善し、ネットワーク接続も高速化し、トレーディングシステム内の遅延が大幅に縮小されました。10Gネットワーク、カーネルバイパス・テクノロジー、RDMAテクノロジー、FPGAアクセレレーション・テクノロジーなどの最新テクノロジーにより、従来の各種障壁が取り払われました。データ標準化やデータ配信は、マーケット・ベニュー・サイクル時間(発注から応答までの時間)より速くなっています。サイクル時間は相場情報処理時間同様に重要です。この両方は互いにバランスします。スイッチ、データ・メッセージング、データ標準化やCPU処理速度は、マーケット・ベニュー・サイクルの往復時間より速くなっています。最新のテクノロジー発展により、標準化は重要性を増しています。一貫性、メンテナンス必要性の低さ、高パフォーマンスなどの要因が、データの標準化をさらに魅力的なものにしています。

3. 新しいテクノロジーが市場にどのような影響を与えるでしょうか。

効率化はますます進んできます。買い手が共通価格を探す力、買い手、売り手が発注する時間や効率、取引執行速度などがわかるようになると、さらに効率は上がります。同時に利益率確保への圧力が増え、取引参加者は、運用保守、アルゴ開発や新規R&Dテクノロジー費用などのオーバーヘッド・コストを下げる必要に直面します。

4. 標準化された相場情報だけでなく低遅延相場情報サービス・プロバイダーを利用することにより、取引参加者はどのようなメリットがありますか。

多くのトレーディング業者は、複数の部門、複数のポートフォリオ・マネジャーやアルゴ取引デスクを抱えています。このため使用するトレーディング・テクニックのポートフォリオは多様化し、リスクや経済的負担が増えます。最近のトレーディング・テクニックのほとんどはアルゴ取引、スマート・オーダ・ルーティングやブラックボックス等の電子取引を利用しています。低遅延相場情報のニーズは、電子取引のパフォーマンス向上のために増大しています。双方とも大変重要です。生のデータのみを提供する、あるいは標準化されたデータのみを提供する、のでは不充分で、多様なポートフォリオやテクニックを要求する顧客の要求を満たすことはできません。顧客も、ベンダーの標準化テクニックの効率性や処理過程でどの程度の遅延が発生するかを考慮する必要があります。効率的な標準化により、遅延は抑えられ、低遅延の電子取引ニーズへの対応が可能となります。

MarketPrizm (www.marketprizm.com)は独立系のマルチマーケット、マルチアセット・マーケット・オーダ・フロー・コネクティビティ・プロバイダーで、各種金融機関の顧客に対してインフラ管理、トレーディング、テクノロジー管理等のサポートをおこないます。KVHとMarketPrizmは、協業により高速低遅延国際網を活用した相場情報配信をはじめとする各種サービスを提供します。